May you always walk in beauty.

あなたがいつも美しさの中を歩んでいけますように。 ― ナバホ族の祈りの言葉
May you always walk in beauty.       -- Navajo prayer
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仕事で出会ったアメリカ先住民・ナバホ族の女性に教えてもらった、ナバホ族に伝わる祈りの言葉。前も後ろも上も下も、言葉も、想いも、あなたを取り巻くすべてが美しいものでありますように…。

初めて聞いた時、目の前でオーロラのような淡い光のカーテンが、ゆっくり揺れているような気がした。そんな美しい光の中を歩んでいてほしい…だれかのためにそう願った時、こちらの心まで澄んでいくようだ。

a0276895_22262421.jpg同情や懇願が想いの強さとは裏腹に心をギュッと締め付けるのは、想いの起点が自分だからだろうか。相手の幸せを親身に願っているようで、自分の描いた幸せの形を知らず知らずに押し付けてしまうことがないだろうか。

それに対してこの言葉は、相手の存在をただひたすら祝福しているように響く。

こちらの心が澄んでいくように感じられるのは、この祈りが独り善がりな願いや執着とは無縁だから、祈る方の心も解放してくれるのだろう。

この言葉を贈られた人は、きっと同じ言葉で相手の幸いを祈らずにはいられないだろう。

優しく透き通った光の波紋が、静かに穏やかに広がっていく。





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# by kayangarden | 2018-06-15 23:41 | Trackback | Comments(0)

目を遊ばせる

もっと自由な感覚を持って歩かなくてはならない。… 思考と同じように感覚も解き放ち、見ようとする意識を捨てて目が自由にものを見られるようにしなくてはならない。… 観察しようと一所懸命になり過ぎるな。自分の意識を対象物に向けるのではなく、対象物の方からあなたの元へ向かわせよ。… 大切なのは、見ようという意識を捨て去って、目をとことん自由に遊ばせることだ。                         
                         ― ソローの日記より
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I must walk more with free senses. ... I must let my senses wander as my thoughts, my eyes see without looking. ... Be not preoccupied with looking. Go not to the object; let it come to you. ... What I need is not to look at all, but a true sauntering of the eye.    -- H. D. Thoreau

a0276895_15250386.jpg英語の"look"と"see"はどちらも「見る」と訳されることが多いが、"look"は対象物を意識的に見ることを表すのに対し、"see"は何かが自然に目に入ることを意味する。

ソローは何かについて本当に知りたいのであれば、 "look"しないように気をつけなくてはいけないと言う。意識を対象物に凝り固めて頭で処理しようとしては、かえって何も見えてこないということなのだろう。

知ろう、学ぼうとこちらがあくせくしなくとも、目を遊ばせ、耳を遊ばせ、あらゆる感覚と意識さえも自由に遊ばせた時、見るべきもの、大切なことは、あちらの方からあなたの元へ自然にやってくるよ、ソローはそんな風に言っている。

え?私? いつも一番自由に遊んでいるのは口です(^^;




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# by kayangarden | 2018-06-11 15:32 | Trackback | Comments(0)

シーチキン!シーチキン!

この夏初めての濃い霧の朝。ベッドから起き上がる前から鳥たちの歌が霧の中から聞こえてきていた。その声はまるで、栓を開けたばかりの飲料に浮かぶ泡が、音楽とともにはじけているようだった。      ― ソローの日記より
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The first really foggy morning. Yet before I rise I hear the song of birds from out it, like the bursting of its bubbles with music, the bead on liquids just uncorked.           -- Henry David Thoreau

a0276895_23255200.jpg今から20年ほど前のこと、野鳥に興味を持って軽井沢の野鳥の森へ何度か通っていたことがあった。今をときめく「星のや」が、まだ「星野温泉ホテル」だった頃のことだ。ホテルの建物の屋根には大きなフクロウのつがいのオブジェが、寄り添うように載っていた。野鳥の森のすぐ横にあったそのホテルは野鳥観察の拠点でもあり、夏も冬も専門家がガイドしてくれる観察ツアーが行われていた。

野鳥は空が白み始めると同時に活動を開始するから、日がまだ昇らない早朝の森はとてもにぎやかだ。ある夏のこと、夫と早朝の観察ツアーに参加した。参加者は全部で6、7人だっただろうか。三脚につけた望遠鏡をかついだガイドさんが、歩きながら鳥だけではなく森の動植物についても説明してくれる。

a0276895_23294697.jpg参加者の中に薄手の長い丈のコートを羽織った、刑事コロンボのようないでたちの男性がいた。一人で参加しているようだったが、体を少し傾けてガイドさんの説明を聞きながら、手に納まるほどの小さな手帳に熱心に書き込んでいる。本当にコロンボのようだ。

シジュウカラを一回り小さくした感じのコガラがしきりにさえずっているところで、ガイドさんが言った。「コガラの鳴き声は、シーチキン、シーチキン、シーチキン、とか、ツメテー、ツメテー、ツメテー、と聞こえます」

なるほど、そう言われてみれば本当にそのように聞こえる。面白いなぁ、と感心しながらコガラの声に耳を傾けていた。と、その時だった。コロンボさんが手帳片手に声を挙げた。「あの、すみません!」 みんなの視線がコロンボさんに集まる。

「今のは、シーチキンですか? それともツメテーですか?」






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# by kayangarden | 2018-06-08 23:38 | Trackback | Comments(0)

奇跡を生み出す

人間は奇跡を生み出す存在です。       ―「神学部講演」エマソン
Man is the wonderworker.       -- "An Address" R. W. Emerson
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もし奇跡が特別な人にしか起こせない超常現象であるなら、それは人々からかけ離れたものになる。エマソンはそのような捉え方に反対し、奇跡はクローバーが花咲き、雨が降り注ぐようなもののはずだと言う。人間の営みすべてを、もっと言えば、命そのものを奇跡と感じていたのだろう。

a0276895_11165537.jpg定義や解釈の問題ではない。同じ経験をし、同じ風景に触れたとしても、当たり前として少しも心を動かすことなく通り過ぎるか、そこに奇跡を見てとれるかは、生きがいと言ったものにも大きく関係してくるのではないだろうか。

卒業を控えたハーバード大学神学部の学生を前にして、エマソンは続ける。
「人間は奇跡にうずもれているのです」





056.gifBouquet of Thanks  ― 今日の浮遊?!

a0276895_11162044.jpgゴミ出しをして家に戻る時、全身に朝日を浴びた。ピンクとオレンジの混ざったようなまばゆい光の中で、前方から吹いてきた柔らかい風に包まれた。

まぶしさのせいだろうか、その風で体が一瞬ふわっと浮いたような気がした。何だかちょっと、くすぐったかった。

1ミリも浮いてはいませんでしたけど!(笑)




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# by kayangarden | 2018-06-01 15:58 | Trackback | Comments(0)

山に抱かれて

山の懐で、夕べ私たちは何と深い眠りを得たことか!樹々と星々の下、厳かに響く滝の音は、心を鎮めてくれるたくさんの小さな声と心地よく調和して、静かに、静かに、耳元でささやいてくれていた。      ― ジョン・ミュア
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How deep our sleep last night in the mountain's heart, beneath the trees and stars, hushed by solemn-sounding waterfalls and many small soothing voices in sweet accord whispering peace!   -- John Muir

a0276895_18180471.jpg見上げれば、高くそびえる針葉樹の黒いシルエットの間に、いくつもの星が見え隠れしている。

穏やかな波のように打ち寄せるカエルや虫の歌声を伴奏に、枝や葉を鳴らしながら渡ってくる風は、遠くで低く響く滝の旋律を耳元まで運んでくる。

目を閉じて、ひんやりとした空気を静かに吸えば、松ヤニのような、かすかな森の香りは全身を満たし、呼気とともに自分も森の静寂へと融け込んでいく。



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# by kayangarden | 2018-05-19 18:29 | Trackback | Comments(0)